興味あるけど、日本からでも準備できるの?
もうバレエ教室に在籍していないし、周りに見てくれる人もいないけど、一人でできる?フランス語で手続きなんて不安すぎる…
大丈夫です、自分もそうでした。当時日本でフルで働いていましたが、フランス語が危ういながらも、ひとりで準備できたので諦めないで大丈夫です!
今回は、EAT受験手続きのために必要なことをひとつずつ丁寧に解説します。
この記事を読めば、フランス語が完璧でなくても、日本にいながら、一人で準備・受験まで辿り着けます!一緒に頑張りましょう!
EAT準備のための5ステップ
国家資格取得までの流れ
①EAT
②3UV(教養課程)
③Peda(指導法課程)
既述の通り、この試験の合格後、教育プログラムを受けることができるようになります。
その後、指定機関において計600時間のプログラムを消化し、最終試験に合格してはじめてダンス指導資格を得ることになります。
ちなみに、このEATと指導法課程に関しては、クラシック・コンテンポラリー・ジャズの中から、ジャンルを一つ選択して受験します。
一方、EATの次のステップ②教養課程では、ジャンルを問わず、指導する上で必要な基礎的知識 (解剖学・舞踊史・音楽)を身につけます。
※指定期間にはそれぞれ扱うジャンルが異なり、クラシックのみを扱っているところもあれば、全ジャンルを扱うところもあります。そのため、③指導法課程は個人の選択ジャンルのある機関で学ぶ必要がありますが、②教養課程はどの機関でも受講することができます。
試験内容
第一次審査
・ビデオ、書類審査(履歴書・志望動機)
第二次審査
・規定バリエーション(2種類の中から選択)
・自由バリエーション(1分30秒から3分以内、自分で創作)
・即興演技
・面接
注意:試験方法、内容が変わることがあるので、毎年ホームページで詳細を必ず確認してください。
(わからなければ、お問い合わせフォームよりご連絡ください)
それでは準備していきましょう
1、必要書類の準備
2、申込書類送付
3、(DRACから)受領証を郵送またはメールで受け取る
4、第一次審査への必要書類送付(ビデオ、履歴書、志望動機)→2月ごろ審査結果発表
5、第二次試験の日時・会場通知を受け取る(受験証と身分証明書の持参を忘れずに)
① 必要書類等の準備
・有効な身分証明書の表裏コピー(現在日本在住の方はパスポート)
・申込用紙
・未成年の方は親または法定後見人による承諾書
・3ヶ月以内に発行された健康状態証明書
・小切手(50ユーロ、海外からの受験者は海外からの受験者は郵便為替か銀行振込みのみ受付)
・審査動画
・履歴書
・志望動機
申込用紙
申込用紙の書き方を紹介します。
用紙はこちらからダウンロードしていただけます
・RÉGION(地域):日本からの場合は、Hors territoire national
・Date de l’envoie de dossier(書類送付の日付)
・受験するジャンルにチェックを入れます
・NOM de naissance(名字)
・NOM d ‘usage (s ‘il y a lieu) (ミドルネーム)
・PRENOM(名前)
・DATE ET LIEU DE NAISSANCE(誕生ちと生年月日)
・NATIONALITÉ(国籍):japonaise
・ADRESSE(住所):1-2-3 Yotsuya Chiyoda-ku
・CODE POSTAL(郵便番号):1234567
・VILLE(都市):Tokyo
・PAYS(国):Japon
・TÉLÉPHONE(電話番号)
・COURRIEL(メールアドレス)
・Pour les mineurs, personne à contacter en cas d’urgence (未成年者の場合、緊急連絡先): 名前、電話番号
・Niveau scolaire(最終学歴):4年制大学卒業の場合は、Bac+4
・Études chorégraphiques suivies (ダンスについての学歴):ここは、おそらく既にフランス国内に限らず、どこかの学校に所属して何かの課程を修了・資格取得した人が記入するのだと思うのですが、私はとりあえずバレエの経歴(所属教室の遍歴など)で埋めた気がします。
Ville et Pays (都市と国名)
Nom de l’établissement(機関・学校名)
Diplôme(s) (à préciser s’il y a lieu) (取得した資格、取得した場所も明記)
Année d’obtention(取得年)
Options(ジャンル):Classique, jazz, contemporaineなど
・Je soussigné (e)(署名します):氏名
・Fait à (署名地):Tokyo
・Signature(サイン):ご自身のサイン
未成年の方は親または法定後見人による承諾書
健康状態証明書
フランスでは、何かにつけてこの書類の提出を要求されます。コンセルヴァトワールへの入学や、教育プログラム入学時もそうです。フランス在住の方なら、かかりつけの病院やDoctolibでお近くのmedecin generalisteを予約し、certificat medical を書いてもらいます。(大抵は問診だけで、ものの10分で終わります)
日本からの場合、筆者もそうだったのですが、近くの診療所で健康診断を受けたのち、フランス語か英語翻訳もお願いして発行してもらいました。ただ、こちらは、ただ「自分の身体はダンスをできる状態で、健康上何の問題もありません」という一筆が貰えれば済む話なのですが、なかなかこの診断書のシステムをご存知の方は少なく、理解していただくのに時間がかかった人たちも多いようです。
小切手
登録料として50€の署名入り小切手を、受験者の居住地域が該当する試験センター宛てに発行します。(海外受験者の場合、リール:住所下記参照)
(注意:トゥールーズの試験会場ISDATの場合、小切手の支払い先は「 Trésor Public 」としてください)
海外からの受験者の場合、郵便為替か銀行振込みのみでのお支払いとなります。
② 申込書類送付
自分の住んでいる地域↓該当する機関に書類を送付します。
実際の試験会場と、申し込みを行う機関は異なりますので、ご注意ください。
次回のEAT試験を例にすると、リール・ボルドー・トゥールーズの3箇所の機関がCentre Organisateur d’Examen となっており、それぞれ該当する地域が記されています。
日本人の方をはじめ、海外受験者の場合は、リールの機関(ESMD HAUTS-DE-FRANCE-LILLE)に送付します。
ESMD Hauts-de-France – E.A.T. Rue Alphonse Colas
59000 Lille
Tél : 03.28.36.67.96 / 03 20 23 64 93 ou par mail à shanebutt@esmd.fr
・フランスでは、(日本ーフランス、フランス国内関わらず)こちらが送った書類を紛失されることが少なくないので、簡易書留で、できれば受取証明付きで、追跡があるもので送ることを強くお勧めします。
・日本から送る方は、フランスの送り先に到着するまで1週間程度かかるので、余裕を持って発送するように心がけましょう
審査動画、履歴書、志望動機については、別の記事で詳しく解説予定です。
③(DRACから)受領証を郵送またはメールで受け取る
④ 第一次審査への必要書類送付:12月11日から18日の間に送付
・審査ビデオ
・履歴書
・志望動機
を申込書類送付時と同様のセンターに期限内(今年だと12月11日〜18日中)に送付します。
注意事項は、最初の申込書類の時と同様で、簡易書留で送ること、日本フランスは大体1週間ほどかかるので、早めの投稿を心がけると安心かと思います。
審査ビデオの規定詳細や、書類の作り方、また実際に受けた人の声などは、長くなり過ぎてしまうので、また別の記事にまとめたいと思います。
⑤ 第二次試験の日時・会場通知を受け取る
第二次試験は、毎年4〜5月に、フランス国内の5箇所(大抵の場合:パリ、ボルドー、マルセイユ)で開催され、受験者の住所によって振り分けられています。
海外からの受験者の方は、パリオペラ座バレエ学校が試験会場に指定されており、2024年度は4月20日から24日の間で開催予定のようです。
試験当日は、送られてきた受験証と、身分証明書(パスポート)を忘れずに必ずご持参ください。
ほぼ情報なし・独練でも意地と覚悟があれば合格できます!
筆者の場合、この試験の受験を決意したのが既に12月で、残された準備期間は4ヶ月。
パリのある学校に問い合わせたところ、今からでも途中入学可とのことでしたが、ビザ申請の関係で実質約2ヶ月しか授業を受けられないので、結局自力で挑むことになりましたが、何とか合格できました!
個人受験でない場合、一般的には、フランス国内各地域にあるセンターで開講されているプレクラスの中で、1年間かけてEAT受験の準備をしていきます。
リストに載っているセンターであれば、ほとんどがEAT準備コースを開講しているはずです。リストに載っていない私立のバレエ教室でも取り扱っているところがあるので、“formation EAT + 地名” で検索してみてください。
当時は、そんなことすらも知らない状態で、大学時代に交換留学でお世話になった先生頼みでしたが、当然直接会える距離ではないので、実質ほとんどひとりで準備しなければならない状況でした。
すでに地元の教室を卒業していたので、見てもらえる先生もおらず、レッスンも平日は働きながらなので最高でも週2回しか通うことができず、週末はレンタルスタジオを借りて2時間ほど自習…を悶々と繰り返していました。
ひとりで自主練には慣れていますが、客観的な目がないのと、本腰を入れていた時代からの1年以上のブランクと闘いながら海外試験に挑むというのは、正直なところ楽ではなかったです。
でも、今になってわかることは、当時は新卒早々に辞職し、社会から見れば自らレールを外れて暗中模索の道を進んだのですから、やはり罪悪感?のようなものも多少はあり、決めたからには絶対に何とか結果を出さないとまずい、絶対何とかしてみせるという意地が原動力だったと思います。そしてこの先の国家資格への道のりを考えれば、こんなところで折れていられないという覚悟があったからこそ、EAT合格後も国家資格取得のための日々に負けず、何とかその一年一年を、数々の試験を乗り越えることができたのだと思います。
母国語であるフランス人でも、1年間学校で準備を重ねてきたとしても、残念ながらEATに落ちてしまう人もいるし、それはEAT合格後も同じで、覚悟不足で何人も脱落していく人を見てきました。
とにかく言いたいことは、問題は言語や環境ではないということです。詳しくは次の記事に書いていますが、たとえ情報不足・言語能力不足でトンチンカンなことをしでかしてしまっても、自分の伝えたいことが口だけでなく身体からも伝わり、この資格に対する強い思いをぶつければ、たとえ試験といっても人対人なので、きっと理解してくれるはずです。
長くなりましたが、以上がEAT受験手続きになります。やることが多くて既に嫌気が差してしまいそうですが、試験合格のためのポイントや、実際の試験の様子を知りたい方はこちらからどうぞ。
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